特別な集団に対するARTの管理 Management of ART
for Special Populations
目次
- 目標
- 緒言
- HIV感染妊婦の管理
- ARTは周産期の母子感染予防の重要な要素
- 妊娠中にARTを開始あるいは継続しなければならない
- HIV感染妊婦のARTレジメンは妊娠していない女性のARTレジメンと同様
- HIV感染妊婦のARTレジメンは妊娠していない女性のARTレジメンと同様
- 妊娠中のDTG+FTC/TAFまたはFTC/TDF vs EFV/FTC/TDFの安全性と有効性は同等
- Antiretroviral Pregnancyレジストリは抗HIV薬による奇形の発生率の低さを示す
- HIV感染乳児および小児の管理
- 母親がHIV治療を受けていない場合、子供のHIV感染率は高い
- リスクのある乳児ではHIV-1感染の早期診断がきわめて重要
- 小児へのARTの実施は困難な場合がある
- すべてのガイドラインが小児に対する迅速な治療開始を推奨
- 米国:小児に対する一次治療として推奨されるARTは年齢で層別化
- 欧州:すべてのHIV感染小児および青少年に対して推奨されるART
- 高齢HIV感染者の管理
- 50歳超のHIV感染者数の増加に伴い、管理もより複雑になる
- ARTを受けている高齢HIV感染者では薬物・薬物相互作用のモニタリングが重要
- 高齢HIV感染者におけるARTの有効性、忍容性を調べた臨床試験
- 代謝に影響を及ぼし得る抗HIV薬は、高齢者には慎重に使用
- HIV感染期間>20年は多疾患および多剤併用の主な要因
- 多疾患罹患率および死亡リスクは性別によって異なる
- HIV感染者は最大で21年早く慢性疾患と診断された
- 高齢HIV感染者集団におけるフレイルは、2030年までに倍増する予測
- 併存疾患はHIV感染者の平均余命および健康度調整平均寿命(HALE)を短縮
- フランスの高齢HIV感染者コホートでは併存疾患の増加がみられた
- 薬物使用者の管理
- HIV感染者では一般集団よりも薬物使用者の割合が高い
- HIV感染/AIDS高齢者における違法薬物の使用
- HIV感染者に対するオピオイド処方量の増加は、将来のヘロイン使用と関連
- いくつかの物質の乱用がHIV感染のリスク行動を増加させる
- ケムセックス
- 乱用物質と抗HIV薬の間には相互作用が認められる
- 薬物使用障害者にMATとして使用される薬剤には、抗HIV薬との相互作用が認められるものがある
- ALIVE研究:注射薬物を使用するHIV感染者の死亡傾向は変化している
- まとめ
- 参考文献
目標
当プログラムでは、以下のテーマを目標に進行する:
- •妊娠中の生理学的変化と周産期の母子感染の予防に関する知識を適用して、HIV感染妊婦に最適な管理を提供する。
- •周産期のHIV母子感染予防のためのARTの進歩を評価する。
- •小児に対するART管理のために現行のガイドラインを利用する。
- •高齢のHIV感染者にとって臨床的に意義のある薬物・薬物相互作用を含む治療上の懸念について説明する。
- •高齢のHIV感染者に着目した臨床試験の結果を要約する。
- •薬物使用とHIV感染リスクという交差する問題に関する知識を示す。
- •ARTの管理、重感染、メンタルヘルスの問題および他の併存疾患に関して、薬物使用と治療に関連する問題を説明する。
緒言
- •抗レトロウイルス療法(ART)の臨床試験は、ほとんどの場合、妊娠していない成人のHIV感染者を対象に実施される。
- •その他の集団への投与に関するエビデンスは、無作為化臨床試験よりも臨床経験を通じて得られることが多い。
- •ARTの成功のためには、このような特別な集団(妊婦、小児、高齢HIV感染者、薬物使用障害者)に対する特別な配慮が必要である。
- •このプログラムでは、このような集団に対するARTの管理について検討する。