2023年10月23日
HIVに対する2剤併用療法の間欠投与は治療失敗率を高める
Intermittent dosing of HIV dual therapy leads to higher rate of treatment failure
本試験の著者らは以前に、3剤併用療法を週に連続5日間または4日間投与するという試験を実施し、有望な結果を得ていた。本試験によると、間欠投与は副作用を低減して費用を削減し、かつ、HIV感染者にとって利便性が増す可能性があるとのことだ。しかし、間欠投与に対しては、長期的持続可能性および耐性発現リスクという点から一部のHIV専門家が批判し続けている。これまで、2剤併用療法の間欠投与は検討されたことがない。
2021年6月~2022年1月までの期間に、HIV感染者433名がフランスのHIV治療センター数ヵ所で実施された本試験に参加した。本試験の参加者の選択基準は、1年以上にわたってHIV量が検出限界値未満に抑えられていること、対象とする2剤療法に使用するいずれの薬剤に対しても耐性がないことであった。
参加者はランダムに2群に割り付けられた。219名が間欠投与群(週4日連続投与)に、214名が連日投与群に割り付けられた。参加者の66%にドルテグラビル/ラミブジン(ドウベイト配合錠)、34%にドルテグラビル/リルピビリン(ジャルカ配合錠)、3名にダルナビルとラミブジンが投与された。
1年後、ウイルス抑制率についての両群間の差はごくわずかであった。HIV量が検出限界値未満に抑えられていた参加者の割合は、間欠投与群で94.5%、連日投与群で96.3%であった。
間欠投与群では8名で治療失敗となったが、連日投与群では治療失敗例はなかった。8名中6名はドルテグラビル/ラミブジンの投与を受けていた。ラミブジンは、リルピビリンに比べて、半減期(薬剤が体内に留まる期間)が短く、耐性発現が比較的起こりやすい(つまり、薬剤濃度が低いとウイルスはその薬剤に対する耐性をすぐに獲得してしまう)。
間欠投与群で治療失敗となった8名中4名において、投与されていた薬剤に対する耐性が発現していたことが判明した。
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