HIV伝播のメカニズム Mechanisms of
HIV Transmission

はじめに

HIVは、血液または感染性の可能性がある体液に直接接触することにより(または「侵入口」を介して)侵入し、伝播する可能性がある。実際には、性的接触、注射薬物の使用、妊娠、出産、授乳などがこれに該当する。欧米諸国では、HIV伝播のほとんどが男性間または異性間の性的接触によるものであるが、世界の他の地域では、大部分の伝播が若年女性の感染に起因するものである。米国では、注射薬物の使用が男女いずれにおいても伝播リスクをもたらす。メタンフェタミンの使用は、必ずしも注射薬物として使用されるわけではないが、使用者のリスク行動が増加するため、伝播リスクを高める可能性がある。医療現場における感染率は、主に普遍的予防策を講じることにより比較的低くなっている。世界の一部の地域では、依然として母子感染が発生しているが、効果的な戦略により減少させることが可能である。いずれの伝播様式においても、抗レトロウイルス療法によりウイルス学的抑制を得ることが、伝播リスクを低下させる効果的な方法である。