2021年11月01日
アバカビルは依然として重篤な心血管の問題を引き起こす
Abacavir still causing serious cardiovascular problems
抗レトロウイルス薬であるアバカビルを心血管疾患リスクの高い人に処方することについて、ガイドラインは注意することを勧めているにもかかわらず、大規模な国際共同研究で、アバカビルを服用している人の200人に1人は、毎年、心臓発作、脳卒中、その他の重篤な心血管イベントを経験していたことが分かった。結果は昨日EACS 2021で発表された。
アバカビルを服用している人の心血管イベントのリスクが、予測された5年間の心血管リスクまたは慢性腎疾患リスクの影響を受けたというエビデンスはない。言い換えれば、心血管疾患のリスクが低い人がイベントを経験する可能性は、リスクの非常に高い人とちょうど同じであったということである。
データは、ヨーロッパおよびオーストラリアのHIV感染者の17のコホートを対象とした国際共同研究であるRESPOND試験のすべての参加者のものである。この主に中年男性の患者グループでは、心血管リスク因子はよくみられた。
心血管イベントのリスクがより高いと評価された人は、アバカビルを処方される可能性がいくぶん低かったが、2012~2017年までのどこかの時点で、3分の1強の参加者が、通常はプロテアーゼ阻害薬を追加して、この薬剤を服用していた。
研究者らは、アバカビルを過去6ヵ月以内に服用した人とこの薬剤に曝露していなかった人を比較した心血管イベントのリスクを計算した。研究期間中、追跡期間中央値4.4年で、748件の心血管イベント(心臓発作299件、脳卒中228件、侵襲的な心臓血管処置221件)が記録された。これは追跡調査の1,000人年当たりほぼ5件、または、毎年アバカビルを服用している200人ごとに1件で、低いが無視できない発生率である。
最近、アバカビルに曝露した人の発生率は、人口統計学的および心血管リスク因子について調整後、40%高かった。
関連サイト
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