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2023年02月22日

あるドイツ人男性は幹細胞移植後10年近くHIV感染がない状態である
German man remains free of HIV nearly 10 years after stem cell transplant

写真
CI Photos/Shutterstock.com

昨日発表された報告によると、ドイツのDüsseldorfの男性は、HIVに対して抵抗性のあるドナーの細胞による幹細胞移植を10年近く前に受け、抗レトロウイルス療法を4年以上前に中止しているが、HIVは検出されず、治癒が宣言されている。

Marcという名前の男性は、現在53歳だが、抗レトロウイルス療法を開始して数ヵ月後の2011年に、生命を脅かす血液がんである急性骨髄性白血病と診断された。化学療法後の2013年2月に、CCR5デルタ32として知られるまれな遺伝子変異を2コピー持つ非血縁ドナーから幹細胞移植を受けた。CCR5デルタ32変異は、HIVの大部分の株がCD4細胞への侵入のために使用する受容体を欠失させる。事実上、ドナーの細胞は、レシピエントにHIV抵抗性の新しい免疫系を与えることになる。

HIVが検出不能となって5年以上たった2018年11月に、抗レトロウイルス薬による治療の中断を注意深い監視の下に試みることが決定された。それ以来、医療チームは、超高感度の測定法を使い彼の血液を検査し、末梢の免疫細胞、腸、リンパ節組織を調べたが、複製能のあるHIVのエビデンスは見つからなかった。

「Düsseldorfの患者」は、この処置後にHIVを排除できた5人のうちの1人のようである。研究者らは、なぜこれら幹細胞移植後の治癒が成功し、それ以外の試みが失敗したのかの研究を続けている。CROIで今日この後に発表されるポスターでは、CCR5デルタ32の二重変異のあるドナーからの幹細胞移植後にHIVが再活性化された症例について説明される。

研究者らがこの未解決の問題に答えられたとしても、幹細胞移植は、生命を脅かすがん治療のための移植を必要としていない人々にとって危険すぎるし、世界中の何百万人ものHIV感染者を治療するには高価すぎる。しかし、これらの症例は、抗レトロウイルス療法なしで機能的治癒または長期寛解の達成のために、研究者らがより広く適用可能な方法を開発するための手がかりを提供している。

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