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2023年03月02日

注射剤によるPrEP投与中のHIV感染は長い間検出できない可能性
HIV infections acquired on injectable PrEP may not be identified for a long time

写真
Dr Susan Eshleman presenting at CROI 2023. Photo by Roger Pebody.

PrEPとして注射用カボテグラビル投与を受けているにもかかわらずHIVに感染する人の感染経過は、PrEPを行っていない人でみられるものとは異なっていると、Johns Hopkins UniversityのSusan Eshleman教授はCROI 2023で述べた。

同性愛や両性愛男性とトランスジェンダー女性を対象とした注射用カボテグラビルのHPTN 083試験の最新データによれば、薬物濃度が十分であるようにみえたにもかかわらずHIVに感染した人が6例(0.3%未満)いた。

これらの感染に関する重要な問題の1つは、感染が起きたかどうかを明らかにすることである。Eshleman氏は、HPTN 083の参加者1例を例として挙げた。最初に陽性結果が出た後の48週間、彼は6種類の異なる測定法を用いて54回検査を受けたが、陽性結果が出たのは15回のみであった。

Eshleman氏は、この症候群をlong-acting early viral inhibition(LEVI)と名付け、臨床的にこれをどう扱うべきかを尋ねた。

これらの状況において、具合が悪いと感じない可能性があり、CD4数は多いままで、ウイルス量は感染を起こすには少なすぎる。しかし、LEVIの症例では薬剤耐性の発生がよくみられる。HPTN 083では、最後の注射からHIV感染までの期間が6ヵ月未満のとき、18例中10例でインテグラーゼ阻害薬耐性が発生していた。

注射剤によるPrEPでRNA検査を標準として推奨することは、1つの解決策となるだろう。しかし、LEVIはまれで、RNA検査は高価である。Eshleman氏は、RNA検査は注射剤によるPrEPのHPTN 083および084試験の非盲検段階の残りの期間に導入され、検査が有益な役割を果たすかどうかについてのデータを提供することになるだろうと述べた。

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