IAS 2023IAS 2023

2023年07月28日

ビクテグラビルは妊娠中も安全で効果的
Bictegravir safe and effective in pregnancy

写真
Rhiannon Neale Photography

IAS 2023で発表された研究では、妊娠中もビクテグラビルが十分な濃度を維持し、用量調整は必要ないことが判明した。またこの研究では、ビクテグラビル、テノホビルアラフェナミド、エムトリシタビン配合剤(ビクタルビ)により、妊娠中および産後もウイルス抑制が持続することが示された。

ビクタルビは成人の抗レトロウイルス治療に推奨されているが、これまで妊娠中の安全性と有効性に関するデータはなかった。ビクテグラビルは、妊娠中に活性が高まる酵素によって代謝され、タンパク質の結合が減少するため、薬剤の濃度が低下する可能性がある。

本研究では、既存の抗レトロウイルス療法でウイルス抑制を達成し、妊娠第2期または第3期にあるHIV感染女性を対象に、ビクタルビの安全性、有効性、薬物動態を検討した。

参加者は研究開始時にビクタルビに切り替え、32名の参加者全員が出産時および18週間の産後観察期間終了時点でもウイルス抑制を維持した。薬剤関連の有害事象(偽陣痛)が 1 件報告されが、ビクタルビの投与中止はなかった。

血液サンプルは、妊娠第 2 期と第 3 期、および分娩後 12 週目と 16 週目に 24 時間にわたって定期的に採取された。このことから、妊娠中のビクテグラビル濃度は出産後よりも低いが、記録された最低濃度でも依然として十分であることが示された。

参加者から生まれた乳児のHIVは、いずれも検出限界以下であった。乳児では、ビクテグラビル濃度が半減するまでに要した時間は 43 時間で、成人で観察された半減期 (18 時間) の 2 倍以上であった。

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