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2022年02月17日

幹細胞移植後に14ヵ月間HIVが検出されていないニューヨークの女性
New York woman free of HIV 14 months after stem cell transplant

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Professor Yvonne Bryson (top centre) at CROI 2022.

New York 市に住む女性は、HIV耐性変異を持つ幹細胞を移植後に抗レトロウイルス療法を中止してから14ヵ月間HIVが検出されていない。

CROI 2022において、University of California Los AngelesのYvonne Bryson教授は、この新たな症例について報告した。

2013年にHIV、2017年に急性骨髄性白血病と診断されたこの女性は、幹細胞移植が必要であった。この女性は、”double” CCR5デルタ32変異を有する臍帯血を事前にスクリーニングして用いるようデザインされた試験に参加した。このまれな変異は、ほとんどのHIVがT細胞に侵入する際に使用する入り口であるCCR5コレセプターの欠損をもたらす。CCR5デルタ32変異を持つ細胞は、幹細胞移植を必要とするHIV感染者のHIV耐性免疫系を再構築するためにこれまでにも使用されてきた。この女性は混血人種であり、特に米国では有色人種の骨髄ドナーが少ないことを考えると、遺伝的に密接に適合し、かつ二重変異を有する成人ドナーが見つかる可能性はほとんどなかった。

医師らは、Haplo-cord移植として知られている、CCR5デルタ32を持つ臍帯血細胞にこの変異を持たない近親者由来の部分的に適合した成人ドナーの幹細胞を組み合わせる新しい手法を実施した。臍帯血にはこのような密接な遺伝的適合は必要ないが、バンクに保存されている臍帯血細胞の量は成人への移植には少なすぎ、また、臍帯血細胞は体内で生着するのが遅い。成人ドナーの細胞は十分な量を提供でき、生着が早く、免疫系を強化するため、臍帯血細胞が生着するための時間的猶予を与える。この女性は、幹細胞移植前に強化化学療法と全身放射線療法を受けた。

移植は成功した。この女性は抗レトロウイルス療法を3年間継続した後、綿密にモニターしながら治療中断を試みることを決断した。14ヵ月後(幹細胞移植から4年半後)においてもウイルスのリバウンドはみられず、HIV抗体も陰性であり、現在も白血病は寛解状態にある。

この女性のHIVが治癒したと断言するのは時期尚早であるが、専門家らは、この「ニューヨークの患者」が、幹細胞移植後長期にわたりHIVが検出されていない「ベルリンの患者」「ロンドンの患者」に次ぐ3番目の患者になるのではないかと期待を寄せている。しかし、この手法はリスクを伴うので、ほとんどのHIV感染者には適用できないと警告している。

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