2022年02月18日
ケニアの小児において、診療現場でのウイルス量検査はウイルス抑制を改善しなかった
Point-of-care viral load tests didn’t improve viral suppression in Kenyan children
ウイルス量および薬剤耐性検査へのアクセス向上は、HIV感染小児においてウイルス抑制を改善するには不十分であったことを、研究者らはCROI 2022で発表した。
ウイルス抑制率は、低所得層において成人よりも小児で依然として低く、HIV感染小児では薬剤耐性率が高い。本研究では、診療現場でのウイルス量検査および薬剤耐性検査への早期紹介によって、臨床判断を迅速化し、その結果HIV感染小児で治療転帰が改善されるかどうかを調査した。
研究者らは、ケニアで1回目または2回目の抗レトロウイルス療法を受けているHIV感染小児1~9歳と10~14歳を対象に2つのグループで募集した。参加者は、3ヵ月ごとの診療現場でのウイルス量検査と、ウイルス量が1,000超の場合には薬剤耐性検査を受ける治療群、または6ヵ月ごとのウイルス量検査とセカンドライン治療が失敗した場合にのみ薬剤耐性検査を受ける標準治療群のいずれかに無作為に割付けられた。
12ヵ月後、介入群の90.4%および対照群の91.7%でウイルス量が1,000未満であることが認められ、有意差はなかった。ウイルス学的失敗は、介入群で138回検出された。耐性検査は検体の89%で成功し、すべての検体で変異が認められた。
本コホートでは試験登録時にウイルス抑制が比較的良好であったため、ウイルスリバウンドに対して最も脆弱な小児を本試験に登録できなかったと研究者らは考えている。試験中のサービス向上、特にドルテグラビルの導入は、ウイルス抑制率も改善させた可能性がある。ただし、研究者らは、ウイルス量のモニタリングでは、小児が初期段階でウイルスリバウンドを起こす根本的原因に対処できない可能性があることも認めている。小児には、より集中的な支援が必要であろう。
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