2022年02月21日
スクリーニングと早期治療によりHIV感染者の肛門がんが減少
Screening and early treatment reduce anal cancer in people with HIV
大規模臨床試験の結果によると、肛門細胞の前がん病変をスクリーニングし、早期に治療することで、HIV感染者の肛門がんへの進行リスクが57%低下する。
この結果は、今週、CROI 2022で発表された。
肛門がんの発生率は、HIV感染者の方が一般人口より高い。子宮頸がんと同様に、肛門がんはヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる。このウイルスは細胞の異常な変化を誘発し、前がん性異形成(高悪性度扁平上皮内病変、略してHSIL)や浸潤がんに進行する可能性がある。
スクリーニングと早期治療が、子宮頸がんの罹患率と死亡率を劇的に低下させたが、これらの介入は、肛門がんリスクのある人の標準治療ではない。その理由は、効果があることのエビデンスが不足していたからであると、Joel Palefsky教授は述べた。
ANCHOR試験(Anal Cancer HSIL Outcomes Research)には、米国の15都市で、35歳以上のHIV感染者が登録された。2014年9月~2021年8月までに、10,723名が肛門のパパニコロー塗抹(細胞診)と高解像度肛門鏡検査によるHSILのスクリーニングを受けた。HSILが疑われた場合、生検標本が採取された。
半数以上(男性53%、女性46%、トランスジェンダー63%)にHSILがあることが分かり、17名はすでに肛門がんと診断された。
HSILを有する参加者は、即時治療―最も多いのは電気または熱を使って病変を除去する方法―を受ける群、または6ヵ月ごとに積極的監視を受ける群に無作為に割り付けられた。
試験は、中間解析でスクリーニングと早期治療が明らかな恩恵をもたらしたことが示され、2021年10月に予定より早く中止された。即時治療群9名と積極的監視群21名が浸潤性肛門がんと診断され、これは治療群のリスク低下が57%だったことを示していた。
「これは、スクリーニングと治療が肛門がんリスクを減少させることを初めて証明したものである」とPalefsky氏は述べた。「データは、[スクリーニングと治療]を35歳以上のHIV感染者の標準治療に組み入れることを支持するものだと考えている」
この試験はHIV感染者を調査したが、結果は、肛門がんリスクが増加しているその他のグループ、例えば、HIV陰性の男性間性交渉者、子宮頸がんやHPVに関連したその他のがん既往歴のある女性、免疫抑制のある人にも適用できる可能性が高い。
関連サイト
- Read this news story in full on aidsmap.com
- View the abstract on the conference website
- Watch a video of Professor Palefsky talking about the study at a CROI 2022 press conference
- Visit our conference news pages for all our CROI 2022 coverage
- Visit the official conference website
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