2022年08月02日
各国の個別化したPrEPサービスによる服用率の増加
Countries tailor PrEP services to increase uptake
集団のニーズを満たすためにPrEP(HIV予防のために通常用いられる薬剤)の提供を簡素化する患者中心のアプローチは、服用率を増加させ、2021年の初頭以降にPrEPを開始した240万人に貢献した。
PrEPの「個別化したサービス提供」と呼ばれるこの方法は、多くの国で実施され、患者の好みに基づいて、いつ(来院の頻度)、誰が(サービス提供者)、どこで(場所)、何を(一連のサービス)提供するかを個別化している。
AIDS 2022では、各国のアプローチ成功例についての報告があった。
ケニアでのHIV自己検査をサポートし6ヵ月ごとにPrEPを配布するモデルは、PrEPの配布を簡素化させ、HIV検査、治療の継続やアドヒアランスを損なうことなく来院回数を半減させた。
ブラジルのMinistry of Healthの研究によると、看護師主導のPrEPはPrEPへのアクセスに大きな影響を及ぼし、月間増加率は11%となった。以前のケアモデルでは、PrEPを処方できるのは医師のみであった。
看護師主導型の処方により、脆弱な集団へのPrEPアクセスが有意に増加した。調査期間中、セックスワーカーおよび薬物使用者に対する看護師による処方率が高くなった。看護師主導のPrEPサービスが開始される前は、ブラジルのPrEP服用者のほとんどが白人であったが、これが変化し、PrEP服用者の63%が黒人になった。
ベトナムでは、PrEPの提供場所を個別化することにより、機会を拡大させている。主要な集団が主導するクリニックは重要な役割を果たしている。これらは、男性間性交渉者やトランスジェンダーの女性である地域の医療従事者が主導するサービスである。
この会議では、患者がサービスを受ける場所の違いについて示した、ある地域の結果についての発表があった。患者3,432名のうち、32%が公的なHIVクリニックで、32%が主要な集団主導型のクリニックで、23%がテレヘルスを通じて、10%が民間のクリニックで、2%がモバイルサービスでPrEPを開始した。
タイの主要な集団主導型のクリニックでは、性感染症のスクリーニングがPrEPサービスとともに提供されている。この会議では、リスク評価をオンライン調査で実施し、カウンセリングをビデオ通話または電話で実施するケアモデルについての発表があった。患者は検査用検体の採取のためだけに来院する。
世界保健機構は、自国のプログラムを用いて個別化したPrEPサービスの提供を開発し、実施する国の支援を目的とした新しいテクニカルブリーフをこの会議で発表した。
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