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2022年08月03日

暴力を受けたことがある思春期児および女性はHIVに感染しやすく、HIVを制御しにくい
Adolescents and women who experience violence are more likely to get HIV and less likely to control it

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Professor Lucie Cluver at AIDS 2022.

親しいパートナーからの暴力や性的虐待を受けた経験は、HIVに感染している思春期児のHIV治療へのアドヒアランス低下と関連していた。アフリカの2つの研究によると、親しいパートナーから暴力を最近受けた女性は、HIVに感染する可能性が3倍以上高いことが明らかになった。

Lucie Cluver教授は、南アフリカでHIVに感染している思春期の若者(10~19歳)1,046名を対象に、2014~2018年の間に3回インタビューを行った縦断研究の結果を発表した。

参加者の37%が、親しいパートナーから暴力や性的虐待を受けたことがあり、約半数(51%)が、HIV治療のアドヒアランスを遵守していると報告した。他の要因で補正すると、親しいパートナーからの暴力はアドヒアランス低下と関連しており、性的虐待も同様であった。

別の研究では、親しいパートナーから暴力を最近受けた思春期の少女および女性は、HIVに感染する可能性が3倍以上高く、HIV陽性の場合にはウイルス量が検出限界値未満である可能性が低いとの所見が得られた。

この研究では、2000~2020年の期間の身体的暴力または性的暴力に関する情報が含まれていた国別の横断調査から得られた結果がプールされた。30ヵ国の50件の調査が解析対象とされ、これらの調査の約半数は東アフリカで実施されていた。

上記の研究では、結婚したことやパートナーを持ったことがある15~65歳の女性から得られた273,000件の調査回答がプールされた。回答者の32%が、親しいパートナーから身体的暴力や性的暴力を受けたことがあると報告し、22%は過去1年間に暴力を受けたと報告した。

他の要因で補正すると、過去1年間に親しいパートナーから暴力を受けた回答者は、HIVに感染する可能性が3.22倍高く、さらに、新たにHIV感染する可能性も2.75倍高かった。

過去1年間に暴力を受けたHIV陽性の女性は、ウイルス量が検出限界値未満になる可能性が9%低かった。

総合すると、これらの研究は、効果的な暴力防止と暴力後の対策を大規模に実施するべき緊急のアンメットニーズを強調している。

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This material is based on an original copyright publication by NAM Publications, an independent HIV information charity based in the UK. Permission for this adaptation has been granted by NAM. The original publication can be viewed at www.aidsmap.com. NAM cannot be held responsible for the accuracy of the adaptation nor the local relevance of the text.

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