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2022年08月10日

長時間作用型の注射用カボテグラビルとリルピビリンは自己投与可能か?
Could long-acting injectable cabotegravir and rilpivirine be self-administered?

写真
249 Anurak/Shutterstock.com

長時間作用型のカボテグラビル(Vocabria)とリルピビリン(Rekambys)を大腿筋に注射すると、副作用は発現するがほとんどは軽度で、薬物動態プロファイルは標準的な臀部への注射と類似していたことが、1つの試験で明らかになった。もう1つの試験では、注射用カボテグラビルの高濃度の製剤は、安全性および薬物濃度が現在の製剤と同程度であることが分かった。

これらの結果は、先週、カナダのMontrealおよびバーチャルで開催されたAIDS 2022で発表された。

注射用カボテグラビル+リルピビリンは、毎日錠剤を必要としない最初の完全な抗レトロウイルスレジメンである。現在は、医療提供者が臀部へ2剤を別々に注射する必要があり、定期的な通院が必要である。

1つ目の試験では、カボテグラビルとリルピビリンの標準用量を大腿の外側に投与したときの薬物動態と忍容性を評価した。これにより自己投与ができるようになる可能性がある。経口薬による導入期間後、15例がカボテグラビル600 mgとリルピビリン900 mgを2ヵ月ごとに投与された。

大腿部への注射後、参加者の薬物濃度は、活性を示す濃度を十分に上回り、また臀部への注射でみられる範囲内であった。有害事象はよくみられ、最も多かったのは疼痛、腫脹、硬結、発赤等の注射部位反応であった。

2つ目の試験では、カボテグラビルの高濃度製剤の安全性、忍容性、薬物動態が評価された。試験製剤は400 mg/mLであり、体積当たりの実薬量が現在の製剤の2倍である。これは、投与頻度の減少や皮下注射あるいは大腿部への注射による自己投与の可能性を考慮し、開発された。

この試験の参加者は88例であった。経口による導入期間後、4つの群は、400 mg/mL製剤の各用量(200~600 mg)を含む月1回の注射を2回、臀部または大腿部への筋肉内注射、あるいは腹部への皮下注射として受けた。5番目の群は、3ヵ月ごと投与の可能性を調べる目的で、臀部により多い用量(800 mg)の単回投与を受けた。

高濃度製剤ほど吸収が速く、半減期が短くなった。4週ごとの投与では、血漿中薬物濃度は標準製剤でみられる範囲内であったが、投与間隔が長くなると、研究者らが「実用的ではない」と考える高用量の投与が必要であると予測された。

この試験の参加者は、疼痛や腫脹等の注射部位反応も経験したが、ほとんどの参加者は容認できると考えた。

これらの研究は、HIV治療のためのカボテグラビル+リルピビリン自己投与、またはPrEPのためのカボテグラビル単独の自己投与への道を拓く可能性があり、これによって、HIVの長時間作用型の治療や注射用のPrEPが、より魅力的な選択肢となる可能性がある。

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