2022年08月10日
多くのHIV診療所では精神衛生のスクリーニングや治療は実質的には行われていない
Virtually no mental health screening and treatment in many HIV clinics
アジア、カリブ海、ラテンアメリカ、アフリカ、北アメリカ、オーストラリアのHIV診療所についての情報を収集した研究結果が、AIDS 2022で発表された。41ヵ国223のHIV治療施設のうち、67%が都市部にあり、78%が低・中所得国にあった。
都市部の診療所と高所得国の診療所は、精神衛生サービスを提供している可能性が高かった。地域間のばらつきがかなりあった。例えば、ラテンアメリカとカリブ海諸国の診療所では、うつ病(63%)や不安障害(13%)のスクリーニングは提供していたが、PTSDのスクリーニングを報告した施設はなかった。東アフリカは、うつ病(53%)とPTSD(14%)についてのスクリーニングが、アフリカの他の地域より多かったが、不安障害についてのスクリーニングの割合が最も低かった(7%)。
うつ病、不安障害、PTSD等の一般的な精神衛生上の問題は、HIV感染者に非常に多くみられ、HIV治療の転帰が不良であることと関連している。スクリーニングと治療をHIVケアと統合することで、精神衛生、HIV治療の転帰、生活の質を改善できる。
結果を発表したAngela Parcesepe博士は、特に低所得国では農村部でのHIV治療の環境や小児のHIV治療環境で、精神疾患のスクリーニングと治療の不足を強調し、実用的で持続可能なサービスを特定し実施することの必要性を力説した。
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